広島大学が日本の大学で初めてアクセシビリティリーダー一期生を21名認定

2007年3月5日,学長より一期生に認定証授与

国立大学法人広島大学(学長:牟田泰三、所在地:広島県東広島市、以下、広島大学)は,日本の大学初のアクセシビリティリーダー育成プログラムを2006年4月から開始し, 2007年3月に第一期生のアクセシビリティリーダーが誕生します。学長によるアクセシビリティリーダー認定証授与式を、平成19年3月5日11時-12時に、法人本部4F会議室にて行います。
アクセシビリティリーダーとは,高度情報化社会において、様々な分野の中で活躍し、ニーズの多様性やバリアの特性を理解し、ユーティリティ(実用性)とアクセシビリティを相補的に融合できる分野横断的な知識と素養を持った人材です。アクセシリビリティリーダーは、大学卒業後に、アクセシブルなサービスをプロデュースする企画開発担当者、就労環境や行政サービスのアクセシビリティを推進する環境コーディネーター、ユニバーサルデザインのアイデアを積極的に盛り込む製品開発者など、様々な専門性とアクセシビリティを相補的に融合し、アクセシビリティを総括的にコーディネートできる人材として、民間および行政における活躍が期待されています。
本育成プログラムは、広島大学とマイクロソフト株式会社(本社:東京都渋谷区、以下、マイクロソフト)が2004年10月に開始した、情報社会を担う人材育成推進のための協力関係の取り組みの中で,本学が完成したものです。
この育成プログラムは大学院生も含む全学の学生15,000人を対象に、体系的に編成されたもので、オンライン講座およびアクセシビリティに関連する4つの講義で構成される先進的でユニークな人材育成プログラムです。広島大学では、育成プログラムの講座・講義を修了した学生を対象に、2006年12月16日、17日、第一回認定試験を本学で実施し、 1月9日に21名(大学院生1名、4年生13名、3年生5名、2年生2名)の合格者を発表しました。これら合格者に対して、3月5日、広島大学より「アクセシビリティリーダー認定」の証書を授与します。この春初めて、認定するアクセシビリティリーダー一期生には、多様な分野において、社会全体のユニバーサルデザイン化を推進する人材として活躍することが期待されます。
広島大学は、全学的な取組みとして、「誰もが利用しやすいように」予めデザインするという「ユニバーサルデザイン」の概念を、「高等教育」へ適用拡張し、「高等教育のユニバーサルデザイン化」を先駆的に推進・実践しています。広島大学ではアクセシビリティに関するオンライン講座、授業(概論、実習A、実習B、研究)を用意し、アクセシビリティリーダー認定試験を実施します。広島大学は、マイクロソフトの技術や情報提供の協力により、アクセシビリティリーダーの育成プログラムを提供することで、高等教育のユニバーサルデザイン化を通して、社会全体のユニバーサルデザイン化の実現を目指します。
マイクロソフトは、本プログラムを修了した学生が、アクセシビリティリーダーとして社会で活躍するための研修を支援します。これは、日本におけるマイクロソフトの企業市民活動の一環としての取り組みで、全ての人々がIT(情報技術)の利便性を享受し、快適で豊かな生活をおくることができる社会の実現に向けて、次代の情報社会を担う人材の育成を図るものです。両者は、2004年からのアクセシビリティ分野での共同活動を通じて、学生に対して、ITアクセシビリティに関する最新技術や動向を伝えるとともに、社員との交流による社会体験研修を行う「マイクロソフト アクセシビリティリーダー サマーキャンプ」を実施してきました。アクセシビリティリーダー第一期生21名中、12名がすでにサマーキャンプを経験しています。

アクセシビリティリーダー育成プログラム概要

プログラム内容

アクセシビリティリーダー育成プログラムでは、下記の「基礎概念」「障害の特性」「支援技術活用」「環境整備」の内容を「STEP1:意識」「STEP2:知識」「STEP3:経験」「STEP4:技術」「STEP5:創造」の5つのステップを経て、段階的かつ体系的に習得します。

  • 基礎概念:「アクセシビリティ」「ユーザビリティ」「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」などの基礎概念
  • 障害の特性:視覚や聴覚、運動機能といった身体の障害や、年齢の違い、言語や文化の利害やデジタル格差といったバリアの要因
  • 支援技術活用:「見る」「聞く」「動く」「操作する」「学ぶ」「伝える」などの支援技術の活用
  • 環境整備:「生活環境」「就学環境」「就労環境」「地域」の環境整備

アクセシビリティリーダー認定

本プログラムにてSTEP4の修了者に対して、広島大学によるアクセシビリティリーダーの認定試験を実施。

マイクロソフト アクセシビリティリーダーサマーキャンプ

アクセシビリティリーダー認定者のうち、さらに意欲のある学生を対象に、「社会を知る」「最新の技術動向を知る」「未来を考える」をテーマに、マイクロソフトが集中研修を提供。

図:アクセシビリティリーダー育成カリキュラム
アクセシビリティリーダー育成カリキュラム

お問い合わせ

広島大学 アクセシビリティセンター

  • 電話&FAX 082-424-6324
  • メール achu@hiroshima-u.ac.jp (@を半角でおきかえてください)