平成20年度「質の高い大学教育推進プログラム」(教育GP)に「アクセシビリティリーダー育成プログラム」が採択されました。
プログラム詳細
目的
本取組は,人に優しい社会をリードする人材「アクセシビリティリーダー」を育成する教育プログラム及び資格認定制度を確立し,本学の在校生,教職員,学外の学生,社会人とその対象を順次広げ実施していく中で,大学教育の質的向上とともに,大学教育と社会との双方向性を拡充し,社会的ニーズに適合した大学教育・人材育成を行うものである。
背景
少子高齢化やグローバリゼーション,高度情報化が顕著である現代では,年齢や障害の有無,言語や文化の違い,ITリテラシーの違いという多様性に関わらず,誰もが製品やサービス,環境や情報の利便性を享受できる,人に優しい社会の創生が希求されている。このような時代背景の中,「利用しやすさ」や「わかりやすさ」を意味する「アクセシビリティ」という概念が注目されている。大学教育においてもアクセシビリティの推進は,広く潜在する多様な知的・人的資源の開拓へと繋がり,高等教育の活性化をもたらすものである。今後,アクセシビリティの概念が,あらゆる分野で社会的ニーズとして広がりを見せていくことは想像に難くない。多様性への理解が必須であるアクセシビリティの教育は,対象を限定しない柔軟な知と創造力を必要としており,高度に専門化が進む大学教育において,分野横断的な発想力の育成に最適な教育課題であると言える。
具体的な目標
本取組の学生教育の目的は,社会的ニーズでありかつ身近なテーマである「アクセシビリティ」教育・多様性理解を通して,分野を問わない柔軟な知と創造力を育成し,キャリアとしてのアクセシビリティリーダー(Accessibility Leader 以下, ALと略す)認定資格を学外にも開かれた形で整備することにより社会での活躍の機会を広げていくことにある。
本取組では,AL育成プログラムを,社会に公開した人材育成プログラムへと標準化を進め,Open-AL育成プログラムとして新たに開発する。またALとしての資格を取得した者の活躍の場として,インターンシップ制度を整備し,社会貢献を果たす。
取組の具体的内容
具体的には,以下(Ⅰ)~(Ⅲ)を期間内に行う予定である。
(1)AL育成プログラムの熟成(学内向け)
l オンライン講座及び研修を核とする教職員向け育成プログラムを開発・実施する。同プログラムは大学院生の受講も想定し開発する。
l 教職員向けオンライン講座を新たに開発し配信する。
l 全学生が受講する教養ゼミ,FD,SDを活用し,オンライン・アクセシビリティ講座の全学生・全教職員の受講を目指す。
l 教育用設備としてアクセシビリティリソースルームを整備。
(2)ALインターンシップおよびALキャンプ
l 学内インターンシップ制度を整備し,AL資格取得者の研修の場とする。
l 地域インターンシップ制度を整備し,中等教育機関や地域へのAL資格取得者派遣を行う。
l AL資格取得者の学外研修プログラムとして,ALキャンプを実施し,最新のアクセシビリティ支援技術や支援の取組,社会的ニーズを学ぶ場とする。
(3)社会に公開したAL育成プログラム(Open-AL育成プログラム)の開発
l 他大学や地域・企業との連携ネットワークとしてAL育成協議会を構築する。
l AL認定試験をオープン化し,他大学の学生,教職員,社会人の受講や受験を可能とする。
l 本学プログラムを他大学・地域・企業のニーズに適合しうるものに標準化し,将来の国家資格等一般資格への展開を目指す。
取組の評価体制
受講者・資格取得者に対するアンケート調査(意識,知識,経験,技術,創造の5項目に関する5段階評価)および資格取得者数の目標値(年度毎に設定)達成率の評価を行い,次期プランに反映させるPDCAサイクルを構成し,年度毎のスパイラルアップを図る。